- どんなとこ?
- 福井県は東日本・西日本の中間あたりに位置しており、北側は日本海に面しています。
坂井北部丘陵地は、福井・石川両県にまたがる標高40m~50mの加越台地の一部で、福井県北部に位置し、昭和44年から昭和62年にかけて国営の農業開発事業によって造成された約1,000haの畑があわら市と坂井市にまたがり広がっています。周辺には東尋坊や吉崎御坊、北潟湖などの観光名勝があり、近年では日本海からの風を利用した風力発電の風車10基が設置され、壮大な景色が楽しめるところでもあります。
造成された畑において、メロン、スイカ、キャベツ、カンショ、ダイコン、梨、柿、ネギ、トマト などが主に作付けされており、福井県の園芸生産の中心地域となっています。生産物は京阪神を中心に、出荷されています。 - 気象条件・営農環境
- 海岸に近い地理的条件であるため、雪が少ない好条件です。日本海式気候に属し、1年を通して気候の変化が明瞭で、多種多様な品目の栽培が可能です。坂井北部丘陵地は埼玉県と同緯度であり、気候は首都圏とそれほど差はありません。冬場の日照量は少ないですが、夏場は太平洋側より日照が多いです。
畑の標準区画は40a(100×40m)で、効率的な営農が可能です。賃借料の目安は10,000円/10a程度(水利費を含みます。)です。
水については、九頭竜川中流域の上質な水をパイプラインで配水します(4月~11月)。各圃場ごとに給水栓があり便利です。
- 成り立ち
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- 福井・石川両県にまたがる標高40~50mの加越台地
- 用水源もなく水に乏しく、お茶やたばこ、なたね、甘藷など限られた作物しか栽培できない生産性の低い土地柄
- 近くの北潟湖周辺では開田事業がすすめられ水田農業によって農家の収入も飛躍的に増加、「北部丘陵地に水を!」求める声が高まる
- 計画当初(昭和38年度)は、丘陵地の既畑と山林の田と畑地かんがい、周辺の田・畑の圃場整備と用水補給を前提に調査が行われた
- しかし、米需要の均衡を図るための減反政策が採られ、「44年開田抑制通達」によって、計画を開田計画から開畑計画に変更を余儀なくされて「国営 総合開発パイロット事業」で実施することとなった
- 昭和44年から国営総合農地開発事業「坂井北部地区」がスタート、事業は17年余りの歳月と316億円の事業費を投じて、昭和62年3月に完成
- 国営総合農地開発事業「坂井北部地区」の概要
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- 事業名 国営総合農用地開発事業 「坂井北部地区」
- 着工 昭和46年度(事業所開設:昭和44年4月)
- 完了 昭和61年度(昭和62年3月)
- 総事業費 316億円
- 事業量 幹線道路 11路線(22.2㎞) 区画形状(標準40a):長辺10m、短辺40m
かんがい用水(配水期間4/1~11/30)、取水工1ヶ所 新江導水14.6㎞、揚水機場2ヶ所、加圧機場34ヶ所
幹線パイプライン27㎞、支線79.8㎞